大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)1748 判決

主 文

原判決を破棄し、事件を東京高等裁判所に差戻す。

理 由

弁護人大野泰重上告趣意第一点について。

記録を精査するに、原審第二回公判調書の記載によれば、右公判において被告人

Aの弁護人大野泰重が同被告人は本件犯行当時心神耗弱の状態にあつたものであり、

法律上刑の軽減あるべき旨主張したことが認められる。(記録二六七丁以下参照)。

然るに原判決は右刑の軽減原由たる事実上の主張に対し何等の判断をも示していな

いことは、論旨の指摘するとおりである。されば原判決は旧刑訴三六〇条二項に違

反し、既にこの点において全部破棄を免れ得ない。論旨は理由がある。

よつて他の上告趣意に対する説明を省略し旧刑訴四四七条四四八条ノ二に従い主

文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二六年三月八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!